三都ものがたり、その後

息子たちの自立までの記録、現在格闘中です。【過去ログに北京情報もあります】

家族の愛

2週間、病院に毎日通っていた。母は、父が入院して、ほとんど、毎日顔を出していた。すごいことだ。私などは、たった2週間なのに、結構参ってしまった。

父が危ないと言われて、緊急帰国した2週間前、初めてカンファレンスに同席した。医師は淡々と説明する。病状について、これから先の最悪のこと予測して言う。重い空気。家族の気持ちをやわらげるような言葉は出てこない。

1年2ヶ月、こんな重圧を背負っていたんだと思う。

入院約1年2ヶ月、父の病状は少し回復の兆しを見せると、また悪くなるの繰り返しだった。2歩進んで3歩下がるというような状態だと思う。そんな状況をそばでいつも見て、父を励まし、医師からの数十回にわたるカンファレスを聞き、病院に通った母の父に対する愛情の深さを真に感じた。

父の病状が進み、母自身が父にできる事が少なくなってくると、「私にできる事は何ですか?」と医師に尋ねると、「そばにいることだけで、患者さんの力になります」と言われたそうだ。

母は病院に行くと、父が目を開けるたびに、いろいろと話しかける。今、この時を逃したくない、話していたいというのが、つらいほどわかる。父も答える。娘の私にはなかなか返事をしてくれないのに、母にはちゃんと答える。そういう私は、父をじっと見守る事しかできないけど・・・